呼吸と瞑想と自律神経失調症の関係について

 前述のとおり、僕の休職のきっかけはストレスによる呼吸困難だった。
 だから休職期間中、自分がちゃんと息できているか、しょっちゅう気にしていた。呼吸を意識し始めて、僕は様々な気づきに遭遇する。

 例えば、僕の呼吸の良し悪しが日々違うことに気がついた。
 ちゃんと吸える時もあれば、吸えない時もあったし、
 吸えても吐けない日、あるいは吐けるけど吸える日など、
 実に様々なパターンがあった。

 そのうち呼吸を意識的に1時間くらい練習すると呼吸が上手くなる
 という不思議な感覚を、僕は掴む。

 練習で呼吸が上達する、ということは僕にとっては新鮮な驚きだった。

呼吸なんてそもそも練習するものだとは思ってもいなかったからだ。

 その後、僕は呼吸の練習に励み出す。
 これは後に自分の病気療養休職期間中のメンタル改善における、
 小さくも偉大な一歩となる。

 何をやれば呼吸が上手くなるのか、試行錯誤して幾つか分かったことがある。
  • 意識的な単なる深呼吸は、10分~30分は真剣に取り組まないと効果が薄い
  • ジョギングやサイクリングなどの有酸素運動後の深呼吸は短時間でも効果的
  • 呼吸とからだの動きを連動させると、実に効果的。ヨガは究極の呼吸練習だ。
  • 歩きながら、ジョギングしながらの深呼吸もヨガ同様に効果的だった。
 呼吸の練習は毎日、数時間は取り組んでいただろうか。
 そのおかげかどうかは断言できないが、

 僕の自律神経失調症の諸症状はそこから劇的に改善していく。

医学的統計的にどうなのかは正直の所わからない。だが僕にとって呼吸の練習は体調回復のキッカケであったと思っている。

 呼吸の練習はまた僕にさらなる気づきを与えた。大きくは3つだ。
  1. 呼吸の良し悪しと気分障害は相関関係にある
  2. 呼吸が深まれば、容易に瞑想に入れる
  3. 深く瞑想に入れた日は劇的に気分障害が軽くなる
 1でいうところの相関関係とは、ここでは関連性が強いということを表現している。

 ちゃんと息できている時は気分の具合がよく、そうでない時は何かしら躁だったり鬱だったり落ち着きがなかったりやる気がなかったりと、気分障害の症状が強く出ていたことに、僕は気がついたのだ。

 僕は理系なので相関があれば因果関係が気になってしまう。
 鶏が先か、卵が先か問題である。
 どっちが原因でどっちが結果が知りたくなったのだ。
 息ができるから気分が良いのか、気分が良いからちゃんと息ができるのか、それを見極めるべく、僕は切り分け作業に移った。

気分と呼吸の関係をつぶさに観察すること2週間
僕の中での結論はどちらも原因であり、いずれも結果だということだった。

気分が悪ければ呼吸は乱れるし、
呼吸が乱れることで気分が悪くなることもある。

そして呼吸を練習することで気分を改善することもどうやら可能である、

これが僕の見解だ。それは、呼吸にフォーカスした生活の始まりだった。

 呼吸の練習を始めて数日経つと、

 僕は呼吸の練習の後であれば容易に瞑想に入れることを体感した。

これが二つ目の気づきだ。僕は呼吸と瞑想の関係について再現実験をやり始めた。
 毎日呼吸の練習をしてから瞑想に取り組んだのである。呼吸さえきちんとした状態であれば瞑想に入れることを何度も繰り返し確かめた。逆に呼吸の練習を怠ると瞑想には入れない事も確認した。次第に僕の中での確信は深まっていく。

瞑想の鍵は呼吸だったのだ。

 瞑想に入れるというのは、雑念を排除して心を落ち着けて無になれるかどうかということだが、僕はこれまで何度も瞑想に挑戦し、失敗し続けていた。いつまでたっても失敗の原因は分からなかった。

 だが今なら分かる。きっと僕は呼吸が乱れていたことに気づいてなかったのだろう。
 坐禅や瞑想に挑戦する人は多い。だが誰しもが無の境地に入れるものではない。

 瞑想は難しい。

 これが世間一般の理解だろう。書店に行けば瞑想の本がたくさん置いてあり、いろんなコツが記述されている。
 
 だが多分瞑想に入れる人は極僅か。限られた人だけなのだ。

 今の僕ならその限られた人がどんな人なのか分かる。
 それはおそらくちゃんと呼吸ができている人なのではないだろうか。

 そもそも健常者ってきちんと呼吸できているのだろうか。
 例えばあなたはどうだろう。

 僕は今はそう思っていない。誰しもがきちんと息ができている訳でもなく、それはおそらく個人差があり、呼吸できている人とできていない人がいらっしゃるのではないかと思う。

 そしてこれは確信に近いが、
 たとえその人の呼吸がヘタクソだとしても、それを意識することは、おそらく無いのだろう。

みなさん、ちゃんと息してますか?


これは僕の主張だが、

「呼吸とは練習すべきものであり、上手、下手がある。」


という、新たな常識を提示したい。

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